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親父たちよ

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  • from: クマドンさん

    2020年05月26日 08時48分23秒

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    雀の雛だよ

    毎朝、雀に餌をやる。
    今もこうして雀たちは餌を待って鳴いている。
    ほんのわずかな餌であるが。
    お腹を空かした雀たちには大事な食べ物となっている。

    ブロック塀の上に雛が止まった。
    親たちと同じくらいの大きさなので、
    一見すると雛だとは分からない。
    しかし、羽はまた産毛のような柔らかさだ。
    何よりも餌を求めて身体を震わす。
    その産毛がぷっくらと膨らむ様子で雛だと分かる。

    この行動は、餌を求るときのものだ。
    とにかく雛はいつでもお腹を空かしている。
    こうやって身体を震えさせ、膨らませて餌をねだる。
    すると親鳥なのか、隣に止まった雀が餌をやる。
    自分の嘴から雛の嘴へと餌をやる。
    雛はそれを喜び、まだ身体を震わせて次の餌をねだる。

    さっき餌をやった親鳥は、
    すっと向こうの駐車場に飛んで行った。
    雛はぽつんと残された。
    その時だ、次に餌台に飛んで来た雀が、雛の隣に止まった。
    そして、雛に嘴で餌を与えた。
    そして、また飛び去ったら、次の雀がやって来た。
    「待てよ・・・」
    その時、私はこの不思議な事実に気付くことができた。

    「親じゃないよなぁ・・・・」
    「餌をやっているのは、親じゃないはずだ・・・」
    ということは、この一羽の雛は、
    ここに集まる雀たちが餌をやって養っているということなのか。
    驚いた。
    そう考えれば合点が行くのだ。

    巣から離れたらどの雀が自分の子なのか分からなくなるだろう。
    飛んでいる内に親鳥とはぐれることもあるだろう。
    でも、大丈夫なんだ。生きていれるんだ。
    雀は、みんなでその雛を育てることを当たり前としているからだ。
    この雀には餌をやる。あの雀には餌をやらない。
    そんなこそくなことは考えない。
    みんなでこの自然の中を生き抜いていくためには、
    助け合うことが当たり前の本能だった。

    それも、一番弱く、助けを必要とする雛に対して、
    自分が食べることを後にして、
    まず餌を与える。
    そして、飛び去って行く。
    なぜならば、その後に来た雀が餌を与えると信じているからだ。
    この安心感と信頼感は、
    私たち人間の社会にはあるのかという「問い」だった。

    このコロナで本当に生きることが精いっぱいで、
    明日をどう生きようかと困窮している人たちの声が聴こえる。
    しかし、その人たちへのセーフティネットが、
    こんなにも脆弱で、制度も支援の方法も無かったと言うことが、
    今回のことで露見した。
    何だか、雀たちの温かさに、
    私たちが失っている温もりを感じたような気がした。

    数年前にこんな光景を見たことがある。
    2年生の教室の隣はトイレだった。
    その窓の上に小さな丸い空気こうが二つあった。
    そこに春になるとムクドリが巣をつくる。
    ある日から、ぴいぴいと雛たちが鳴き始める。

    その鳴き声は、定期的に、ある間隔をおいて聴こえた。
    不思議だなぁと、その様子を見ていたら、
    その間隔の意味がよく分かった。
    それは、二羽の親鳥たちが餌をとって帰って来る時、
    雛たちが鳴く鳴き声だと分かった。

    5羽の雛が、親鳥が来ると、
    黄色い嘴を精一杯に開けて餌をねだる。
    親鳥はその嘴に餌を与えると、またすぐに飛んで行く。
    学校の前の道路を超えて、田んぼに向かう。
    そこで虫をとって来るらしい。

    1~2分の間隔だ。
    また親鳥が低空から、一気にその壁の穴に向かう。
    すると、またぴいぴいとあの鳴き声が聴こえる。
    そして、鳴き止むとき、
    親鳥の姿は巣にはなかった。
    また、あの田んぼに向かって飛んで行った。
    そして、また同じ位の間隔で、巣に戻って来る。

    つまり、1時間の間に30回以上、この同じ行動を繰り返すのだ。
    それも、休まず、続ける。
    本当に只管そうやって行き来する親鳥の姿を見て、
    何だか涙が流れたものだ。
    きっと自分は食べてはいない。
    5羽のお腹を減らした育ち盛りの雛たちだ。

    休むわけにもいかない。
    雛はお腹を空かして待っているからだ。
    それを止めたら、雛たちは死ぬ。
    だから、一日中親たちは飛び続ける。
    きっと休めるのは、お日様が落ちた後、
    夜になれば、雛も眠る。

    12時間飛び続けたとしたら、
    この親鳥たちは、360回以上往復したことになる。
    身を捨ててこそ、かなぁ。
    私は、毎日、その姿を見て、頭が下がった。
    私は、いつしか、その親鳥たちに尊敬の念を抱いた。
    「ああ、いいものを、見せてもらいました」と、感謝した。

    2年生の子どもたちにそのことを教えた。
    そして、昼休み中ずっと親鳥のことを見守っていた。
    子どもたちは、心から感動していた。
    これが本当の親の愛だな。

    そして、いつしかその雛たちの鳴き声が聴こえなくなった。
    きっと親たちと一緒に、この巣を巣だって行ったのだろう。
    親鳥たちは、その親鳥たちにそうやって育てられた。
    だから、当たり前のように、こうやって雛たちを育てる。
    そして、この雛たちが親鳥となったときも、
    きっとそうやって自分たちの雛を育てる。

    この愛は、命には必ず備わっているはずだ。
    そうでなければ、この自然の中で雛を育て、子どもを育て、
    巣立ち、自立させることはできないと思うからだ。
    親は、子を持った時、自分を捨てる。
    いや、子育てだけを優先に考え、行動する。

    自分が食べなくても、
    自分がどんなにお腹が空いていても、
    その嘴の餌は、雛のための餌となる。
    お腹が減っている親は、
    その嘴の餌を飲みこまない。
    その餌を雛に与える。

    無償だな。
    雀も、ムクドリもそうしている。
    それでは、人もそうするだろう。
    今は、みんなはそうする時なんだ。
    そのスイッチをonにする。
    自分のことより人のことを先に考える。

    それができるのが、人なのだと私はstayhomeで考える。

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