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  • from: クマドンさん

    2020年05月27日 06時47分01秒

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    「共生」と「連帯」を森で学ぶ

    英国のキュー王立植物園でただ一人のボタニカルアートの画家、
    山中ますみさんのお話を聴いた。
    先月、お話を聴いてから、ずっとずっと心に残っていた人だった。

    45歳で乳がんになり、その入院中に植物への興味が芽生え、
    遺された人生の時間を植物たちと向き合うことに決め、
    居候同然で植物園に通うようになった。
    そこで、資料や本の整理をしながら、
    植物画を独学で学び、15年たち、今では世界で認められる画家の1人となった。

    植物については、全く興味もなかった彼女は、
    その植物画を描くようになってから、
    その植物についてのめり込んで行った。
    そこには、日本から持ち込まれた貴重な植物があり、
    絶滅危惧種の植物もあるからだった。
    それを絵に描いてこの世界に遺すことが、
    彼女のミッションなんだと考えていた。

    植物が描いて欲しいと彼女のことを呼ぶらしい。
    彼女は、その声に促され、その声に聴き従い、
    その植物の命を絵にして描く。
    そこには、その植物の生物としての「意味」のようなものを感じているとのこと。

    この植物が絶滅したら、この植物とかかわって生存している昆虫絶滅する。
    すると、その昆虫を捕食している昆虫や動物も絶滅の危機となる。
    つまり、どんな植物でも、何かと必ず繋がって存在しているのだった。
    難しいことは私には分からないが、
    私の庭の植物たちを見ながら、
    私は、お互いに繋がってここで生きているのではないのかなぁと、
    感じているので、この山中さんの言葉には合点が行った。

    トラを守るためには、その森を守らなければならない。
    その森とは、樹木だけでなく多種多様な植物が在り、昆虫がいて、
    多様な生物の連鎖・繋がりの中で生かされているものだという発想だ。
    そう考えると、この森は、小さな地球そのものだ。
    その森で行われていることが、日々、ちゃんと行われていたら、
    このトラはその森で生きていける。
    森は、トラを生かしている大事なフィールドだ。

    地球は、本来は太陽のエネルギーだけで生きている。
    本当にそうだった。
    その太陽のエネルギーによって光合成が行われ、
    この地球には酸素が生まれる。
    二酸化炭素を栄養としてそこでまた酸素がつくられる。
    見事な酸素と二酸化炭素との循環だ。

    植物たちは、花を咲かせる。
    私はいつもどうして花をみんなつけるのだろうと不思議を感ずる。
    その時が来ると蕾をつけ、それが膨らみ、花となる。
    すると、待ってましたとばかりに、
    モンシロチョウにアゲハチョウだ。
    クマンバチは毎日決まった時刻にやって来る。
    花の蜜を吸うためだ。

    花たちはその時、花粉をめしべに付ける。
    つまり、この虫たちが受粉を助ける。
    そして、子房の中で種を育てる。
    お互いにウイン・ウインの関係だった。
    しかし、そのためには太陽のエネルギーだ。
    日が長くなる。太陽が高くなる。日差しが強くなる。土の温度が上がる。
    そこで、植物も昆虫たちも元気に育つ。

    地中の虫たちもそうだった。
    春から夏にかけたこのシーズンが、繁殖の季節となる。
    ダンゴムシ・ハサミムシ・ミミズ等等、
    実は庭の石の下やプランタの下は、こうした虫たちの楽園だった。
    たいした賑わいなんだな。
    そのおかげで土は滋味のあるよい土となる。
    土と虫たちとはこれもウイン・ウインの関係だった。

    先日、畑の土を掘り返したら、
    小さなカナヘビが現われた。
    こんな狭い庭の中でも、このカナヘビは生きていけるんだの驚きだった。
    きっと虫たちを食べているのだろう。
    何だかこの庭の番人のように感じた。
    生きることは食べることだ。
    今日も何かの餌にありつけることを祈っている。

    そう言えば、先日悪戦苦闘のアブラムシたちの大群だ。
    あれは、確かに私の「油断」だった。
    しかし、ある日から、テントウムシが目に付くようになった。
    それも、いろいろな種類の小さなテントウムシたちだった。
    アブラムシにはテントウムシが天敵だった。
    とにかく食べる量が半端ではないそうだ。
    もしも、テントウムシが大量発生していたら、
    この問題は解決したが、次は、テントウムシの問題だったな。

    クモが巣をはっている。
    私は、その巣の位置を覚えて、壊さないように配慮する。
    あの何重にも囲まれたクモの糸の巣には、
    それをせっせと制作していたクモの努力の結晶だからだ。
    どうやってクモはこんなにも幾何学的な美しい模様を描くことができるのか。
    そまクモの巣には、既にかかってしまった小さな虫たちが、
    何とがんじがらめにクモの糸で巻かれて置かれてあった。
    捕食した虫を、貯蔵しているのだった。
    この知恵には驚いたな。
    しかし、この虫たちも植物があるからの虫たちだ。

    何だかね。こうやってマクロな視点でこの庭を観ていると、
    次々と新たな発見に驚かせられる。
    そして、ここにはやはり「共生」と「連帯」なのだと、
    改めて感じた。
    命とは、互いに助け合って生きて行かねば、
    生きられないものなんだ。

    一つの命が全てを独占したり、
    一つの命がこの場から絶滅したりすると、
    この庭で生きていた小さなそして細やかな命たちの「共生」と「連帯」は、
    そこからウイルスが広がるように破壊されていくのだと、
    この庭を観るだけで教えられた。

    山中さんが言っていた。
    人間もその地球環境に生きるメンバーの一人なんだと。
    そして、その環境を破壊し、生物を絶滅に追い込んでいるのは、
    その人間なんだと。
    今、地球は、ノアの箱舟なんだ。
    その箱舟で人間はどんな役割を果たすべきなのか。
    そのことを「問い」続けなければならない時代に来ている。

    いつしか、私たちホモサピエンスが絶滅する日が来たとする。
    そうしても、きっとこの地球の生物たちは生き残り、
    繁殖するはずだ。
    そして、次の人類と呼ばれる人たちが現われた時、
    私たち絶滅したホモサピエンスたちのことを何と語るかの「問い」だった。
    きっと「愚かな人類」だったと、言われるのではないだろうか。
    そんなことも話してくれた。

    小千谷のSさんは、今、学校に造った森を守ろうと動き出した。
    この山中さんの話ではないが、
    きっとその森がノアの箱舟。
    地球の命の繋がり、「共生」と「連帯」そのものの場所だと思う。
    そして、生徒たちや地域の大人たちがその森に入り、その森を感じ、
    その森の語る「言葉」を聴きとり、その森の中で気付くとき、
    本当の意味での「共生」と「連帯」の意味を理解するのではないだろうか。

    私は、この小さな庭でそれに気付き、その不思議に驚いている
    山中さんは英国のキュー効率植物園でそのことに気付き、ミッションとしている。
    Sさんにとってのその森は、きっとそんな場所になるのではないだろうか。
    83歳のSさんのその心意気に、森と植物と虫たちとは、
    きっとエールを贈っていると私は信じている。

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