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  • from: クマドンさん

    2020年07月20日 07時03分43秒

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    人生は、あなたのことを待っているよ

    毎朝3時50分には起きている。
    それは、ラジオで「明日への言葉」を聴くためだった。
    その人が、どうして今その人になっているのか。
    そこには、何かとてつもない試練や宿命や定めがあった。
    その話を本人の声で聴くことで、何だか毎朝、考えさせられる。
    「人生って何」
    「人はなんのために生かされているのか」と。

    そこには、今も途上で「問い」続けている深い深い人たちばかりだった。

    先日、料理研究家の小林まさるさんのお話だった。
    87歳になった彼が、料理研究家と呼ばれるようになったのが、
    長男の嫁のまさみさんが、突然「料理研究家」になりますと、
    料理の先生になったことがきっかけだったそうだ。
    彼が70歳の時、嫁の手伝いで料理の下ごしらえが始まった。

    彼は、樺太で育った人だった。
    13歳で終戦を迎えた。
    しかし、彼の父は炭鉱で使う機会の優秀な修理工のため、
    ロシアの捕虜となり、それから2年間樺太の炭鉱で働かされた。
    その間に、まさるさんは、川で魚を採り、それょナイフを使って調理した。

    それから、美幌の炭鉱へ、
    その炭鉱が閉山となると、三井の芦別炭鉱へ行って働いた。
    本当に食べるもののない飢えた時代だった。
    だから、あるものを工夫して食べていた。
    それも、自分でさっさと料理を造った。

    彼は優秀な技術者だったので、ドイツへ3年間の研修だった。
    当時は1ドル360円の時代だ。
    日本がまだまだ貧しく、その日その日をやっと暮らしていた時代に、
    彼はドイツに渡り、そこの文化に触れ、料理を味わった。

    そして、帰国したら、東京に移住し、大手の鉄鋼会社に勤務した。
    その間のことだ。
    彼の妻は病弱で、入退院を繰り返していた。
    だから、子育ても、家事一斉は彼の仕事だった。
    三人の子どもたちの食事から弁当造りまで彼の仕事だった。
    彼は、そのことが苦にもならず、
    さっさと冷蔵庫の在り物の食材で調理した。

    そして、60歳での定年を無事に迎えた。
    定年を待たずに愛する妻は病で他界していた。
    悠々自適の老後の独り暮らしだった。
    彼は、家事や料理を楽しんでいたので、
    老いての独り暮らしは、これも苦にはならなかった。

    その内に、長男と結婚した嫁のまさみさんが、
    彼が独り暮らしなことを心配して、同居を希望した。
    独り暮らしは、自分の夢であったので初めは断ったが、
    歳をとってもしものことがあってからでは、迷惑をかけると思い、
    今の内ならと、同居を承諾した。

    そしたら、嫁が突然、料理研究家になった。
    それも、自分で学校に通って、料理の勉強を40代で始めたのだ。
    その内に、「漬物」の料理本が大ヒットした。
    彼女は売れっ子の料理人になり、
    雑誌やテレビの取材。レシピ本の出版と全く多忙な日々となった。
    そこで、彼にアシスタントの声がかかった。

    70歳だ。
    ここまでの彼の人生を振り返ってみると、
    実は、彼は、料理人のアシスタントの声がかかっても、
    その日から、その仕事ができる、
    そうした人生の生き方をしてきているのだった。

    これがどこにでも転がっている男子厨房に入らずの頑固な定年親父だったり、
    家事や料理等、一切家のことを自分でして来なかった使い物にならない男だったり、
    そんな仕事は面倒なことだと、何かと言い訳をして逃げ回っている男であったら、
    この話が来ても、やっぱり使い物にはならず、
    せっかくの機会をみすみす逃すこととなったと、私は思う。

    私は、今、朝食と昼食を自分で調理して、食べている。
    妻は、早く出勤するからだった。
    だから、自分のことは、自分でやることは、何の苦にもならない。
    かえって、冷蔵庫の中を見て、何を造ろうかと思案することを楽しんでいる。
    掃除も整理整頓も大好きな仕事だ。
    庭や塀の向こうの雑草取りは、私の使命と考えている。

    彼は、今、クラウドファンデングで資金を集め、
    簡単にできる酒のおつまみの料理本を出版した。
    そして、今は、停年退職した男性を集めて、
    簡単にできるおつまみの造り方を伝授する料理教室を開く夢に向かって、
    着々と準備しているということだった。

    「料理は、難しく考えるから失敗する」
    「レシピ本を買ってその通りに造ろうとするから面倒になる」
    「冷蔵庫にある素材を使ってひと工夫する」
    「それが料理を続ける秘訣なんだ」
    「そうやって考える楽しさが料理にはある」
    「そして、自分の健康のためにも料理することを私は勧めているよ」
    だった。

    87歳の今、彼の「簡単おつまみ」のレシピ本は増刷・増刷だそうである。
    彼は、まさか自分が70歳から料理人になるための修業に入ろうとは、
    きっと全く考えなかったと思う。
    定年退職後は、好きな趣味に没頭し、楽しくのんびりと暮らすはずだった。
    ところが、突然料理人となった嫁のアシスタントだ。
    それから、自らの料理本がヒットして、
    とうとう一流の料理人となってしまった。

    だから、人生は、分からない。
    私は、この分からないことを、信じたい。
    その人には、きっとその人がこの世で為す仕事が与えられていると思う。
    しかし、その本人は、全くそのことに気付いていないことが多い。
    しかし、多くの試練を経て、死ぬ生きるを乗り越えて、
    何だか自分を捨てて、独りになったり、死にたくなったりを経験して、
    その後、何だかこの人は・・・という人と出会い。
    自分が想像すらしていなかった人生の転機を迎え、
    その道を信じて、進んで行くと、
    「へぇ、こうなったんだ・・・」との驚きだ。

    料理人となる人は、料理人となった人だ。
    踊る人となる人は、踊る人となった人だ。
    教師となる人は、教師となった人だ。
    保父さんとなる人は、保父さんとなった人だ。
    何だか、私は、このことを信じられる人となった。

    だから、これから私のこの残された人生の時間で、
    私にとってのどんな出会いがあり、
    どんな転機があり、
    どんな当たらな道が準備されているのかを、
    今も62歳11カ月で期待している。

    人生って、そういうものではないだろうか。
    自分で決めない。
    きっとこの先は、自分では想像もしていなかった、
    予想外の展開があるはずだ。

    それから、彼がそうであるように、
    人は70年、80年生きてみないと、
    本当の自分の人生の「意味」が分からないのではないかの「問い」だった。
    私は、この歳になって、
    人生を振り返ってみたら、あのことも、このことも、
    今、ここで、私が生きるためには、必要な試練であり、定だったと理解した。

    人生に、「意味」のないものは、一つもなかった。
    どんなことでも、今、ここ、こうして生かされている私のためのものだった。
    そのことを信じて、「うん、そうだ」と、肯定できる日が必ずやって来る。
    だから、その日が来る前に、死んではいけない。

    その先に、自分では想像もしていなかった大いなる夢と出会うかもしれない。
    苦しんでいるその自分の心を救ってくれる人生の師と出会うかもしれない。
    そして、まさかこの私が・・・と思う道へと導かれて行くかもしれない。
    だから、今を、生きる。凌いで生きる。何とか生きる。今日一日だけを。

    まさるさんは、そのことを改めて私に教えてくれた。
    「おい、クマさん、人生これからだよ」
    「あんたのことを、きっと待っている何かがあるよ」
    「期待しなさい。大丈夫。人生って生きてみないと分からないね」
    そんなことを私は、彼から教わった気がする。

    そして、若い人たちには、そのことを私も教えて行きたい。
    「おいおい、諦めるな。辛かったら休め、休め」
    「とにかく息をしていろ。うずくまっても生きていろ」
    「自分の人生を信じてみるさ。とにかく、それだけだ」
    「悩むな。問い続けようよ。考え続けようよ」
    「その先のことは、誰も分からないのだからね」

    今、どんな大人が求められているのだろうか。
    私は、そうした大人になれるのだろうか。
    それは、私自身への私の人生からの「問い」である。

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