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  • from: クマドンさん

    2020年11月21日 07時25分16秒

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    あなたのことを忘れていませんよ

    人は、どうしたら幸せと感じるものなのだろう。
    私は、どんな時に幸せを感じるのだろうか。
    そんなことを、考えることが、よくある。
    それは、幸せでないからではなく、
    何となくそれはそれとして、幸せなのではないかと感じているから、
    この気持ちは、どこから顕れるのかと、思うから、
    そんなことを少し考えているのだろうか。

    昨日、学童保育のお仕事最後の日だった。
    そういえば、思い出すことは、
    私は、その日に登園して来た子には、
    全てそこで名前を呼んで声をかけてきたことだ。
    そして、何かを話しかけていた。
    そこで、寂しそうな子が分かるから、
    その子の傍に座って、私が話した。黙って傍に居た。話を聴いた。
    私ができたのは、きっとそれだけだった。

    しかし、そうされた子どもたちは、安心したのか、
    確かにいつのまにか元気になっていた。
    何もしてやっていないようでも、
    そうして黙って私が、傍に居るだけで、子どもたちは元気を回復した。
    幸せって、そういう人が、自分の傍に居てくれることなのではないかなぁ。

    阪神淡路大震災の時、真木さんは、
    「自分にも何かできることはないか」と考えて、
    定時制高校の教員をしていた彼は、避難所の退院館に向かった。
    しかし、ごったがえす人たちの中で、自分のやるべき仕事が見つからなかった。
    そしたら、高校生の女の子に、
    「おっちゃん、高校の先生なら、あの人たちの話を聴いたって」
    「部屋の隅に独りで蹲っているお年寄りがとても多いんよ」
    「だから、おっちゃんは、先生なんだから、話を聴けるよね」だった。

    それで、彼は、すぐにそうした独りぼっちの被災者のお年寄りの傍に行った。
    しかし、その状況は聴くことができても、
    そこから先には、話は進まなかったと苦労した。
    それは、自分にはまだ家と家族が遺されているが、
    このお婆ちゃんには家もなく、家族も亡くした。
    そんな悲惨な経験をした人の気持ちが分かるとは、言えないと思ったからだ。

    しかし、その人たちの一番の苦しみが、孤独であることが分かってから、
    彼は、「よろず新聞」というB4版の自作の新聞を作り、
    被災者に必要な情報をまとめて、みんなに呼びかけ、
    一人ひとりに手渡す活動を始めた。
    そこで、同じ気持ちの仲間が集まり、NPO「よろず相談所」が開設された。

    しかし、人は、自分から辛さや悩みをなかなか話せないものだ。
    だから、何度でも通って、信頼を得る必要があった。
    そこで、真木さんたちは、仮設住宅に通うことにした。
    最初は、怪しい人のように思われ、怪訝な顔をした人たちも、
    ただの話し相手だと思うと、とにかくいろいろな話をするようになったそうだ。
    私も、昼間は、ぽつんと独りぼっちだから、その気持ちはよく分かる。
    誰かと話をする。誰かに気持ちを話す。誰かの話を親身になって聴く。
    このことが、孤独には一番の薬になるようだ。

    ところが、抽選で割り当てられた仮設住宅は、
    自分が長年住み慣れた町ではないことが多いそうだ。
    知り合いも誰もいない。
    隣近所の人は、ここで初めて出会った人だ。
    地域の案内も分からず、買い物にもどこへ行ったらよいのか分からない。
    そんなこんなで、どんどん荒んだ空気感となるそうだ。
    入口に酒瓶が転がり、昼まったから、独りおじいちゃんがうずくまっている。
    仕事もない。家族もない。お金もない。支援も乏しい。
    そんな生活の中で、求められていたのが真木さんたちの仲間だった。
    何時間も帰さないこともあるそうだ。
    人が傍に居てくれる。心配してくれる人がいる。
    とてもとても大事なことだと、私も思う。

    しかし、仮設住宅は、まだ隣近所の生活の音や匂いがあるからいいそうだ。
    復興住宅のマンションやアパートに暮らすことになると、
    行政は、もうこの人は大丈夫と支援の手を引くそうだ。
    安否確認には定期的に気てはくれる。
    しかし、本当に欲しいのは、その確認ではない。
    「確認はいい。でも、本当にして欲しいのは、話を聴いてくれることだ」と、
    ある独り暮らしのお爺さんが語ったと言う。
    そうなんだな。みんな独りなんだ。寂しいんだ。
    特に、マンションやアハートでは、隣近所との交流は全く無くなる。
    知らない人同志が、親しくなるまでには、努力と時間がかかるものだ。
    その内に高齢となり、ぽつりぽつりと亡くなる人が増える。

    そんな中で、独り暮らしのお婆さんと独りぼっちの男性が、
    同居した話を真木さんが、紹介してくれた。
    80代のお婆さんは、50代の彼と仮設住宅で知り合った。
    「私が、あなたのお母さんになってあげるよ」と、他人の二人は同居を始めた。
    男の人は、四国から渡って来た人だ。
    「人には言えないことばっかりだ」と、波乱万丈な人生だったようだ。
    そこで、「あなたが、私が死んでも独りで生きていけるように」と、
    その母は、厳しく、細々と料理や洗濯、掃除など、
    彼に教え続けたそうだった。
    そして、お婆さんは、最期の時を迎えた。
    何と、その息子の腕の中で息を引き取ったそうだった。

    「あなたのことを忘れていませんよ」
    「人は、人によってのみ救われる」
    この真木さんの言葉の意味は、深くて、重い。

    実は、ここにこそ、人が幸福にその生涯を生きられる生き方があるような気がする。
    救う力のある人は、見過ごしにせず、救いの手を差し伸べればいい。
    救いを求め、苦しんでいるのなら、「助けてください」と、言えばいい。
    この二人が出会うことが、「人」という文字ではないのか。
    人は、支え合って生きている。
    「Ⅱ」のように二本の棒が平行に立ってはいない。
    やっぱり、「人」は、支え合い、繋がり合って生きている。

    そのことが、本来の人としての特質なのではないだろうか。
    「人は 愛するということ 
     あなたと手をつなぐこと
     生きるということ」       谷川俊太郎

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