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親父たちよ

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  • from: クマドンさん

    2020/12/30 16:04:37

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    ぼーっと生きるだけ。

    強い風になってきた。雪が舞っている。
    いよいよ大雪になるらしい。明日の朝は真っ白な世界に変わる。
    今年も後二日となった。
    ついさっき年賀状を投函して来た。
    今年は、私にとってどんな歳だっただうか。

    コロナ禍での巣ごもり生活だった。
    3月に退職をしてから、二カ月間は遊ばせてもらった。
    本当は、鹿児島から北上して歴史探訪の旅をするはずだった。
    しかし、県境をまたいではならないとのこと。
    そうした夢も断念せざるなった。

    6月半ばから、学童保育に勤めることにした。
    新たな経験のスタートだった。
    実は、再任用を希望しなかったのは、介護職や放課後ディ等の、
    これまで私が携わっていない職を体験するためでもあった。
    何でもそうだが、実際にその仕事を体験しないと学べないからだった。
    そして、学童をやって分かったことは、
    「やれるかもしれない」と言う実感だった。

    それは失敗もいろいろとあり、指導も度々受けていた。
    しかし、全くの新人でありながら、
    私は教育職としての長年の経験を持っている。
    そこで身につけた知恵は大きく役立つという実感だった。
    経験が活きる。
    それは、人間関係についても言えることだった。
    この関係性の中でどんな立ち位置で仕事をしたらよいのか。
    女性7人に囲まれての仕事だった。
    だから、難しく、気も使う。
    しかし、そこで無理なく、自由に、仕事で来たことは、
    私にとっての自信となった。

    人は、人から学ぶものだ。
    しかし、それは言葉として学ぶことより、
    その人の態度や行動によって現われるものからの学びだ。
    私は、きっと私もそう人には見られているのだと感じた。
    その人がどうやって生きて来たのか。
    その人が何を大切にして生きて来たのか。
    それは、こうやって歳をとると直ぐに感じられるようになる。
    言葉の使い方。言い方でもそうだ。
    そこに心を込めているか、それともぞんざいなのか。
    それも手に取るように分かる気がした。

    人は、自分のことがこんなに露わに現われているということを、
    理解して生活しているものだろうか。
    やはり、その端端にその人らしさが出て来る。
    とてもとても優しい声の支援員さんがいた。
    子どもに寄り添い、その子の気持ちを尊重していた。
    その姿から、学んだことが多くあった。
    私もそうしよう。そうしてみたい。そういう人に出会えたことは幸せだ。

    今年一番の収穫は、「カンポス」の常連となれたことだ。
    夏休みの間、私は毎日この店でランチを食べた。
    メニューを全部制覇することを目標に、
    食べ終わり「行って来ます」と出る時に、既に翌日のランチを決めていた。
    とにかく、この店の料理には、手作りで、愛情たっぷりの味わいだった。
    これは、職人肌のマスターが50年間かけて積み上げた確かな味。
    その味には、絶対にぶれがなく、いつもの美味しさをいつみのように提供する。
    料理しているマスターの姿にほれぼれとする。
    無駄がなく、効率的で、意識して次々と料理が造り出される。
    身体の動きは、まさに舞を舞うような軽快で、リズムを感ずるそれだった。
    料理は、身体で造る。
    私も毎日食事を造る時、マスターの真似をする。
    まさに、見よう見真似で、調理する。すると、やっぱり気持ちいい。

    ママは、いつも笑顔で、好奇心の塊だった。
    いろいろなことにアンテナを張り、興味関心の範囲が広い。
    これも長年の人生の経験知である。
    とにかく、何を言っても反応が早い人だった。
    そして、褒める。褒める。本心で心底褒める。これがすごい。
    カンポスでは、マスターの料理と美人ママの笑顔だった。
    この二人と縁ができたことが、何よりの今年の収穫だったな。

    「歳をとらないと分からないものだね」と、Sさんとよく話す。
    こうして歳をとり、ぽつんと一軒家の精神で生活していると、
    何だか今まで分かっていたと思っていたことが、
    本当は分かっていなかったことであり、
    本当のことは、今、ここ、自分でやっと分かったということに、やって気付いた。「ああ、このことに気付いて、よかったてば」だったな。
    もし、そのことに気付かないで、亡くなっていたら、
    そのことを分からないままでこの生涯を終えることになった。
    分からないままだから、きっと分かりたいとは思わないだろうが、
    このことは、実は、生きて行く上でとてもとても大切なことだった。

    そのことは、体験を通して、身体を通して、味わわなくては、
    絶対に分からないことでもあると、分かった。
    向こうから試練や苦難がやって来る。
    その時は、「何で」「どうして」と、恨むこともある。
    しかし、そのことがあったから、このことが分かる。
    まだまだ強い我があるならば、絶対にこのことは分からない。
    そして、人は、自分から自分を捨てられるほど強くはないし、我が侭だ。
    そんな我がある内は、このことがすーっと身体には入らない。
    そのことを、何だか少し分かった気がする。

    「大丈夫」なんだ。
    本当にそうだった。
    「任せて生きる」そこに活路ありだな。
    自然に学ぶ。あるがままでいい。何もくよくよすることはない。
    そうなることは、そうなっていいことだけ。
    だから、何があっても、起っても、そのことを受け入れる。
    その覚悟のようなものが、少しだが出来るようになった。

    これから、またまた長いあの冬の生活が始まる、始まる。
    この屋根に少しずつ積もりかけている雪を見ている。
    これはこれで仕方ないことだ。
    こういうものだと、そのままにする。
    そのことで何も思わない。思い煩わない。それだけのことだ。

    縁側で独り、ぼーっとしていることがある。
    時間と共に流れて行く、流れて行く、そのことを受け入れる。
    そう言えば、あの雀は2年位しかこの世では生きられないそうだ。
    そう思うと、この雪の寒さの中で凍えている雀が可愛くもなる。
    しかし、人だって80年というところだろう。
    いつも束の間を生かされている。
    そう思うと、自分のことも愛おしくなるものだ。

    さてさて、明日の朝は、雪除けになる。

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