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  • from: クマドンさん

    2021年02月23日 07時23分33秒

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    映画「あたらしい世界」

    映画「あたらしい世界」を観た。
    10犯6入。28年間刑務所で暮らした川上正夫。
    確かに生きずらさで生き、犯罪を重ねて来たが、
    彼が元受刑者としてこの世界に戻って来たら、
    確かに、この世界は偏見と差別に満ち、生きずらい社会となっていた。

    私がこうして就活で苦戦するのも、それだった。
    「63歳・男性・未経験」そんなもの、使えるわけがない。
    役に立たないから、採用はしません。
    それが、現実のこの社会だ。
    ある意味、マイノリティーや弱者に対しては、
    とても冷たい社会となっているような気がする。

    「私だって辛く、苦しいのに」
    「あんたのことなんか、かまっているゆとりもないよ」
    「とにかく、自分で何とか生きとくれ。帰った。帰った」だな。
    これが「普通」のこに社会だった。

    前科のある人たちの就職は、とてもとても難しいことだった。
    まず、身元保証人があっても、部屋を借りることも大変だ。
    運転免許証は刑務所にいる間に失効してしまう。
    貯蓄も無く、かといって、即お金になる仕事は、やばい仕事ばかりだ。
    元のヤクザの仲間に戻っても、先が全く見えない状況。
    どうやって生きて行ったらいいのか。途方に暮れる。

    しかし、そんな中で、彼は、生きることを諦めず、絶望はしない。
    とにかく、真っ直ぐに生きていたら、分かったくれる人も現われる。
    困っている彼に同情し、励まし、支援する友達も出来て来る。
    どうやったら、希望を持って生きられるのか。
    それは、やっぱり彼のことを好きになり、
    彼のことを親身になって救けたいと思ってくれる人が、
    きっと1人でも居てくれるだけで、それでいいのだと、私は思った。

    みんな、こうした人へのかかわりを恐れる。
    今では、隣近所のお年寄りの困り感を、他人事として無視できる社会だ。
    孤立無援。買い物すらままならず、公的な支援を受けていない独居老人。
    その人たちの心の孤独。経済的な貧困。食べて行くための不安感。
    つまり、毎日毎日、生活することへの不安感を抱えて生きている人たちも多い。
    しかし、彼は、その不安な生活に入る前に、前科者として、社会から排除されている。

    この映画にも、そうした立場で苦しさの中を生きている人たちが居た。
    外国から来た不法労働者の若者たちだ。
    彼等は、パスポートを取り上げられ、タコ部屋のような所に入れられ、
    強制的に仕事させられ、搾取されている。
    生活保護受給者たちもそうだった。
    安アパートを当てがわれ、その支給されたお金を搾取されている。
    また、精神的に障害を持っている人たちもそうだった。
    就職へのハードルが高く、なかなか採用する企業は現われない。
    そうした、マイノリティーや弱者が、安心・安全に暮らせる社会を造るべきなのに、
    今の時代は、そのことに対して逆行している。

    強い者が独り勝ちだ。
    経済の再分配は起らず、お金持ちはその資産をただ自分だけのために抱え込む。
    「自分たちの税金を、こんなやつらのために使っているのか」と、
    そんなことを平気で言う人間も中にはいるらしい。
    孤立したり、弱者になったり、精神的な障害をもったり、不法労働者であったり。
    実は、この国は、そういう人たちが暮らしずらい社会を今、造っているのではないか。

    まず、自分が生き残ることが優先だ。
    だから、その人たちの困窮や苦難が見えない社会になっている。
    しかし、その人たちの生活は、今、ここの、死活問題だった。
    若年のホームレスが増えた。本当に路頭に迷っている若者がいる。
    特に、このコロナ禍から、これ以降の社会は、人間に優しい社会になれるのか。
    実は、大きな「問い」を持ちながら、その問いと向き合っていないのが今の現実だ。

    「あたらしい世界」とは、どんな世界になるのだろうか。
    「みんなが幸せに生きられる世界」を造らなくて、何が進歩と言えるのだろうか。
    そんな矛盾をかかえたまま、この社会はその問題を修正・改善する努力を怠る。
    今、自殺者が、前年よりも毎月の統計では増えている。
    そこで、語られている言葉とは、何であるのか。誰か、聴いているのかな。

    そんな彼が、介護の仕事に就いたことは驚いた。
    彼ならば、きっと弱者を生きる人たちの気持ちに共感できる人になる。
    それは、私が、介護職を目指している理由だった。
    今、お金ではなく、心で誰かが誰かに寄り添って行かねばならない。
    これならば、私にも出来る。彼にも出来る。
    だから、介護職には、こうした60歳代や、訳ありの人、障害のある人を、
    その人たちの枠として確保して、採用してもらいたいと願っている。
    私は、彼と同じ気持ちで、不採用の通知を、9回もらった。

    しかし、この映画を観た、昨日の午後。
    着信の番号に電話したら、あるディサービスからの採用の知らせだった。
    担当のNさんは、こんな私のために親身になって、各事業所にかけあってくれた。
    ある派遣会社への紹介料の手続きを済ませ、上司からの承諾を得たので
    一度、施設に必要な書類をとりに来て欲しいとのことだった。
    さっそく、午後3時に伺った。
    こんなこともあるんだなぁ。

    私の「あたらしい世界」は、3月第二週から始まるようだ。
    自宅に戻ったら、9通目の不採用の通知が届いていた。
    とにかく、このチャンスを生かすことだと、川上のことを、私は思った。

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