クマさん　こんばんは。　takiです。

おにいちゃんの自転車、見つかって良かったですね。
それにしても、ラッキーなのは弟君。
自転車が見つかり嬉しい兄、見つかったお陰で弟も嬉しい出来事が起こった訳ですね。
私には姉が居て、子供の頃は「なんで姉ちゃんばっか！」と思っていたものです。
なんだか弟君の嬉しさが良く判ります。はい。

ようやく祭りが終わり、会計担当の私はこれからが本番。
毎年、苦労するのだが、今年はこれまでの経験からか順調だ。
会計は順調なのだが、祭り当日に事故が起こった。

山車をライトアップする照明に電気を供給する発電機。
コイツが大暴れしたのだ。

私を含めた太鼓舞台が宮宿で木遣をあげ、山車に合流しようとした時
山車に付いていた町内の人が私達に駆け寄り「発電機から発火した」と報告を受けた。
詳細を聞くと突然、電気の供給が止まり、それを回復しようと試みたところ
暗くて手元が見えず「明かりをくれ！」との声にライタで明かりを取ろうとし
漏れ気化したガソリンに引火したようだ。

ライタで明かりを取ろうとしたのは間もなく20歳になる若者である。
引火した火は、若者の右手の甲と、回復を試みた人の顔を舐めたのだ。
若者は右手を軽く火傷した。
回復を試みた人は、顔面を火傷し眉毛とまつげを失った。

昨夜、顔面に被害を受けた人の家に伺い、保険の適用について説明してきた。
幸いにも眼球には異常がなく、一瞬だけ高温に晒されたため大事には至らなかったようだ。
私が保険会社からの話を伝え終わると彼が真っ先に口にしたのは
ライターで明かりを取ろうとした若者の火傷のことであった。
「アイツ大丈夫だったけぇ？」
「アイツに怪我をさせたと思って心配だったんさぁ」
軽度の火傷で翌日には平気であった事を伝えると
「それなら良かったぁ」
自分は顔の皮膚がボロボロになっていながらも若者の心配をしていたのだ。
更には保険会社との連絡をした私にも
「面倒かけて悪りぃねぇ」と言うのである。

今回、顔に火傷を負った方、実は一昨年も後片付けで怪我をしている。
それを期に昨年から保険に加入しているのだ。
彼は決して注意や準備を疎かにする人ではなく、力仕事などを準備よく
そして、周りに注意を促しながら作業を進める裏方の中心人物なのだ。

彼と私のエピソードがある。
私が中学に入学して間もない頃、激しい腹痛に襲われた。
何やら腸に潰瘍のようなものができたらしかった。
熱も伴い近くの胃腸科に歩いては行けない状況でだった。
父は出張中、母は運転免許なしである。
玄関を出てタクシーを捜す母の姿を見て声をかけてくれたのが、
彼であった。
「俺、出かけるとこらっけ乗れさ！」
彼の車に乗せてもらい診察を受けたのだ。
昨年の祭りの集まりで、その時の話をしてみた。
「そんげことあったけ？」
あっけない答えであった。

今回の発火騒ぎでしみじみと感じたのは、強い男は優しいということです。
自分も顔に火傷を負いながらも、明かりを付けようとした若者を心配していた彼。
こんな人と祭りを通じて関わりを深める事ができた。
最高に幸せなことです。
私が同じ状況にあった時、彼と同じように優しく、
そして強い人になっていたいものだと思っています。