yuccaさんのコンサートが小千谷であることを日報で知った。
すぐに入場券を求めるために葉書に書いた。
そして、知った。
その日は、どうしてもコンサートに行けないことを。
追っかけ親父の悲哀であった。

追っかけの先輩Hさんにすぐにメールをした。
さっそく葉書を出すと言う。
追っかけ親父ツアーが出来ずに残念だった。
今度日帰りで東京にでもと密かに想っている。

アマゾンからは、注文していたyuccaさんのCDが届いた。
コルトレーンと一緒である。
これで今発売されている全CDは手に入れた。
あの日以来、毎朝・毎日聴きっぱなしなのである。
歌がいいのだ。歌詞がいいのだ。声は抜群。心が和むのだ。

私は、ある面ではヨン様の追っかけ叔母ちゃんたちを、
「よくやるよなーー」と呆れて見ていた。
それは、自分とは全く関係ない人たちの集まりなのだとも思っていた。
しかし、こうして魂を奪われてしまうと、
叔母ちゃんたちの熱狂振りを理解できるのである。

中年が本気になると怖いと言う。
それは上流にのぼった鮭の雌雄なのである。
命を燃やして子孫を残す。
その激情がこの年代にはあるのかもしれない。
それを「人生最後の恋」と呼ぶ人もいる。

仕事中に、yuccaさんの歌が心に流れることがある。
とたんにキューンと空しさと悲哀を感ずる。
「会いたいなぁ」「聴きたいなぁ」
こんな想い、久しぶりだ。

かって私が中学生だった頃、
天地真理にぞっこんだったことがある。
ライオン・ワオワオショーを観る為に、
山ノ下の店で洗剤を買い捲った。
朝から長蛇の列に並び、
ステージ近くの席をサッカー部の仲間と陣取り、
真理ちゃんがステージに登場し、歌い出した瞬間の恍惚感。

その恍惚感と同じものを私yuccaさんに感じている。
大助・小助のように、
私も鮭になって命を燃やすために上流をぐんぐんと目指して泳いでいるのだ。