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  • from: クマさんさん

    2011年02月07日 06時08分48秒

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    いつか必ず

    昨日は天気が良かったから、父を母の病院に連れて行った。
    ところがこれが大変なのだ。
    とにかく動きたくないために、文句ばかりだ。
    ひげは伸び放題だったので、シェバーでそってもらうことにした。
    しかし、右手が思うように動かない。
    そのためにおっくうになり、この通りの状態だった。

    本当に一日座ったきりで、動くことも難儀なようだ。
    息はしているが、生きていると言えるのだろうか。
    母が入院してからは、ガックリ度は増していた。
    動くのはこの見舞いだけなので、無理して連れて行く。

    病院では、少々痩せて、元気がない母が、
    黙って座っている父を励ましていたりする。
    いつまでたっても男は、弱い生き物だ。
    「頑張ろうよる」との母の言葉に、
    父は黙って肯くだけである。
    まさに狛犬さん「あ、うん」だった。
    夫婦はこうして年季が入ると、一対なのだとよく分かった。

    父の年まで、後30年ある。
    しかし、30年間父のようにして生きられるとは、何の保証もないのだ。
    30年前、私は23歳だった。
    その頃の父は、今の私のようにまだまだ若かったはずだった。
    とにかく動く人で、家の仕事はテキパキとこなし、
    日曜日にはいつの間にかいなくなり、
    毎晩酔っ払って帰って来た。

    あの頃の父の無頼と逞しい体と笑顔が懐かしい気がする。
    私は、息子たちからどんな父親として見てもらえているだろうか。
    それは、息子たちのみ知ることで、
    あの当時の父のように、私は自由に生き、せっせと家事に勤しんでいる。

    「学生期」「家住期」「林棲期」「遊行期」
    これは、インドの仏教で言われる人間の一生だ。
    つまり、「学ぶ時代」があり、「家族を作り、子どもを育てる時代」があったら、
    その後は、「森に棲み、深く瞑想し、修行する時代」が来るとのことだった。
    最後は、全てを捨てて、旅に出て、どこやらで野たれ死ぬことを、
    人の一生の理想としているのである。

    その生き方の根底に、人は独りで生まれ、独りで死ぬという、
    厳粛な事実が肯定されている。
    父も母もある意味、この「遊行期」に入っている。
    釈迦は、説法の旅の中、80歳でこの世を去った。
    人は、死ぬ時何を想うのだろうか。

    父も母も、口には出さないが、死ということは考えていると想う。
    何も無くなってしまう瞬間を想い、恐怖に襲われることもあるだろう。
    「いつか必ず」
    それは、遅かれ早かれ私も同じなのである。
    「みんないつか死なんばねぇね。」
    「みんないつか必ず別れんばねえね。」

    病院で二人の会話を観ていると、
    いつもいつもそんなことを想わされる。
    さて、やはり子どもたちに教えなければならない第一のことは、
    この「人は必ず死ぬる」ということなのではないだろうか。

    優しさも想いやりも、ここから生まれるのではないだろうか。
    年寄りと暮らしていると、人生のいろいろなことを考える。

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    秋桜

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