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from: クマさんさん
2011/04/11 06:03:16
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いとおしむ
土曜日に長男が帰ってきた。
五十嵐に住んでいるのだから、気軽に帰って来れる距離だ。
大掃除をしていたら、彼の保育園時代の写真が出て来た。
文化祭か何かの集合写真だ。
そこに若かりし頃の父と母とが写っていた。
父は、長男の保育園の運動会では走ってくれたこともあった。
もう二度と帰らぬその日だ。
長男と次男とは、我が家の宝物で育てて来た。
私と妻とが仕事のため、
日中は父と母とが全ての子育てをしてくれた。
〇歳から我が家に来た次男は、
まさに父と母とが手塩にかけて育ててくれたものだった。
そんな長男が、今は大学生となり、自炊をして自立している。
私も年をとるはずだ。
昨日、選挙の投票のために、父と母とを連れて大山保育園に行った。
父は、歩くことがやっとになっていた。
途中で難儀になり、立ち休みした。
とにかく文句ばかりだった。
その父をなだめ、叱りながら、母が寄り添うように歩いていた。
二人合わせれば170歳を超えている。
大山台の桜は、まだ蕾だった。
来週の土日には、見事な桜を咲かせることだろう。
「桜が咲いたら、花見にこよて」と、母が父を誘う。
大山保育園に入ると、
そこだけが時間が止まったようだった。
ここに長男が通っている頃、母が送り迎えをしてくれたのだ。
「70歳からの子守、よくやってきたて」と、母が笑う。
父は、よく次男を連れて行方不明になった。
次男を横に、スナックでカラオケを歌っていることもあったようだ。
できれば、時間をもどしてやりたい。
よたよたと歩く二人の姿を見ながら、
感謝しかなかった。
その大山保育園をバックにした集合写真が出て来たのは、
ただの偶然ではない気がしている。
人は、日々その日の自分と別れを続けながら、
日々暮らしている。
震災で失ったと思った写真と出会えた人の感動する姿を見た。
写真だけが、その別れた自分と家族とを再び心に取り戻す力をもっている。
一枚の保育園時代の集合写真に、私はその力を感じた。
そして、日々いとおしみながら生きたいと想った。
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