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  • from: クマさんさん

    2011年08月04日 06時31分01秒

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    ディスレクシア

    夏の暑さが戻ってきた。
    やっとあちらこちらでセミが鳴くようになった。
    我が家の庭でもセミが鳴く日も近いような気がする。

    ディスレクシアのNさんの講演会を昨日聴いた。
    詳しくは分からないが、とにかく読み書きが困難な障がいだ。
    アメリカの俳優のトムクルーズもこの障がいをもっている。
    彼は、台本を読んでもらい、全て暗記するそうだ。
    Nさんの場合、やっと自分がその障がいがあることを教えられたのが20歳だった。
    それまでは、その障がいがありながら、学校や社会から疎外され、
    差別される日々だった。

    黒板に書かれた文字が読めない。
    ノートに文字を書けない。
    宿題は提出できないし、テストも受けられない状況になっていた。
    そんな苦悩を教師に訴えても、教師はまともに取り合ってくれなかった。
    「怠けているんだろう。」
    「やればお前にだってできるんだ。」
    それが出来ないから訴えているのに、その困り感を理解してもらえない苦悩。

    高校は進学校に入学。
    点数や成績が全てのような状況の中で、
    教科書すら読めない彼は、教師から無視をされることもあった。
    教科書の読みになると、彼を飛ばして次に行ってしまうそうだ。
    「どうせお前はできないのだから。」
    そう思われて生きることの辛さと悲しさ。
    自分はそこに居ても、居ないかのようにして扱われる虚しさ。

    彼はそんな悲惨な状況でうつ症を発症し、家に引きこもるようになる。
    音に過敏になり、手を何度も何度も洗わなくては気が済まなくなってしまった。
    それでも、やっぱり一人だけおいてけぼりを食うのは嫌なので、
    定時制の高校に通った。
    しかし、家庭内での物に当たる暴力行為は続いた。
    そこでもうまく行かず、東京の通信制の高校に通うことにした。
    しかし、東京での一人暮らしは、そんな精神状態では無謀なことだった。
    アルバイト先でも、仕事が出来ずに怒鳴られ、痛めつけられ、
    首になった。

    世の中からいらないと言われた若者は、ぐっと堕ち込み、酒を飲んだ。
    そんな彼のことを心配して上京して来た両親に救われた。
    今の彼が居るのは、この時の両親の愛があったからだ。
    彼は講演の最後に、家族への感謝を語った。
    自分が荒れている時、妹に大変な迷惑をかけてしまった。
    今になって謝ると、「そんなこと何でもないよ」と、言ってくれるそうだ。

    家族だけは、許されている。
    やっぱり、家族なのだ。

    そんな荒れた生活の彼を救った一言がある。
    それは、20歳になってディスレクシアのことを知っているカウンセラーに出会った時のことだった。
    カウンセラーは、暗く悲惨に人生に絶望している彼を見て、優しく語ったそうだった。
    「よく頑張って生きてきましたね」と。
    これまで褒められたことがなく、自分の存在そのものを否定され続けて来た彼にとって、
    その一言の褒め言葉は、起死回生の天の声だった。

    自分を苦しめて来た障がいの存在が分かり、自分だけではないということも分かった。
    そして、生まれて初めて他者が自分の存在を認めてくれた。
    生きる力がふつふつと湧き、彼は現在東京の高校のコーディネーターとなり、
    全国を講演して歩いている。
    彼は、現在26歳である。

    彼の話の中から、学校や教師が置かれている現状が見える気がした。
    また、就職し生活するための世の中の厳しい現状も見える気がした。
    学校や競争社会から淘汰され、いらないと言われた人は、
    いったいどうやって生きたらよいのかということなのだ。
    障がいがある彼にとって、この学校と社会とが居場所のない地獄だったとしたら、
    何か根本から間違っているのではないだろうか。
    否定された人は、自尊心なぞずたずたに傷ついてしまうことだろう。
    学校も社会も、そうした人権侵害を当たり前として、
    淘汰することに躊躇しない世の中となってしまったようだ。

    家族の愛を語った後に、
    「そんな私のような存在を受け入れる地域社会があったらありがたいです」
    「地域の人たちが育ててくれることを願っています。」と講演を結んだ。
    世知辛い世の中である。
    だからこそ、せめて家庭と学校と地域社会だけは、
    どんな個性をも「淘汰せず」「尊重する」場所でありたいものだと私も思っている。

    何者も「淘汰せず」「尊重しよう」。

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