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  • from: クマさんさん

    2011年08月09日 16時41分46秒

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    尾瀬紀行

    久々の登山だった。尾瀬の至仏山に登って来た。
    新潟発6時。Nさんご夫妻が迎えに来てくれる。
    バスターミナルに着き、タクシーに分乗して鳩待峠に向かった。
    ここにも先日の水害の跡があった。
    予定では8日に山に登るはずだったが、
    翌日の午後は雨が降ると言うことで、急遽7日に山に登ることにした。
    出発が10時と遅くなってしまったが、
    「山賊会」ペースでゆっくりゆっくりと登ることにした。

    山賊会は、発足してから21年目に入っていた。
    現在の年齢からマイナス21年が当時の年齢である。
    70歳のIさんと、Oさんが最高年齢である。
    会の平均年齢は62歳になった。
    この日のメンバーは全部で12名である。
    ゆっくりと、安全に心がけて登ることが当たり前になっている。

    尾根に出て、小至仏山を越えた頃から、遠雷が聴こえるようになった。
    とにかく夏山は3時までには小屋に入ることなのだ。
    しかし、空が明るく、風が強く吹かないので、大丈夫と判断して登った。
    実は、この年代になると次のことは考えられないのだ。
    無理はしないが、天候と体力と相談しながら山頂へ向かった。

    午後1時に山頂に到着した。
    さすがに観光地尾瀬だけあって、ろくな装備も持たずTシャツとGパンの若者たちがたくさんそこには居た。
    彼らは、2000mの山の怖さを知らないのだ。
    天候が急変し、積雷雲に捕まったら、豪雨と雷の地獄を見る。
    この服装に運動靴ではひとたまりもないことは予想できる。

    私たち高齢者登山隊は、余禄を残して、この若者たちよりも先に下山した。
    ゆっくりゆっくりと下る亀の歩みの山賊たちは、
    それでもやっぱりこの若者たちに峠寸前につかまってしまったが、
    その途端の大雨だった。
    ずぶぬれの若者たちの後ろで、完全装備と傘をさす私たちは余裕をもって下って来た。
    山での経験を積めば積むほど、臨機応変の対応ができるのである。

    それから1時間の木道歩きで、その日の宿の「山の鼻小屋」に到着した。
    すぐに生ビールを飲んだことは勿論だった。
    それからすぐに風呂に入った。
    石鹸は使えないが、沸かし湯の湯船につかり、疲れはそれだけで吹っ飛んだ。
    電線が来ているから、電気もふんだんに使っていた。
    トイレは水洗の洋式で、ウォッシュレットが付いていた。
    消灯後も廊下やトイレの電燈はつき、ヘッドランプもいらないのだ。
    生ビールは700円で、缶ビールは550円で自動販売機で買える。
    どこかの旅館に来た気分だった。

    山は、山屋だけのフィールドではなくなったのだ。
    山ガールのスカートに原色のタイツ姿には参ってしまった。
    とにかく学生さんを始め、若いギャルが多いのも見ものだった。
    隔世の感があった。
    時代と共に、快適な山暮らしとなって来た。
    また、そうしたサービスを提供しないと、お客は来ない時代となったのだろう。
    山に来てまでもそんな贅沢ができる時代となったのだ。

    私たちは、どこで耐久生活を体験できるのだろうか。
    翌朝、隊の人たちは竜宮小屋まで歩き、私は途中で山の鼻に向けて引き返した。
    もちろん小屋では生ビールを飲んで、
    隊のみんなの御帰還を待っていた。
    ゆっくりとでかい雲が尾瀬ケ原の上空をたゆたっていく。
    それは夏山の雲だった。

    30年前にこの尾瀬ケ原に来たことがある。
    時代が変わり、人も変わり、小屋も変わり、私たちは年老いて来た。
    それでも、山は昔のままの姿なのだ。
    自然は変わることなくそこにずっと存在してくれるから美しいのだと、
    燧ケ岳と至仏山とを見ながら私はそう思った。

    生きている間に、妻を連れてここに来たいと思っている。

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