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  • from: クマさんさん

    2013年08月10日 11時48分39秒

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    たそがれる

    いつもいつもたそがれていた。
    「めがね」という映画を観て、やっぱりこれでよかったののかと我が意を得た気がした。
    何かをやらねばならない。
    何もしないでぼんやりしてるなんぞもったいない話だ。
    あれも、これもと、やることは山ほどある。
    でも、今はそうであったとしても、
    天からの恵であるかもしれない、この時間の流れに身を任せている。

    「めがね」の中で、「たそがれられというのは、才能です」という台詞があった。
    そうかなぁとは、思いつつも、私にはその才能があるのかもしれないと思い直した。
    関屋分水の海辺の公園が大好きだ。
    この展望台から眺める海の色が実にいいのだ。

    知っているだろうか、海の色とは空の色なのだということを。
    曇った空には灰色の海があり、
    晴れて青空の海には紺碧の海がある。
    風と共に波の立ち方も違い、
    上流に大雨が降ると土色の海に変わる。
    たゆたう海を、そうして毎日姿を変えて登場する海を、私はただ黙って見ている。

    隣りの公園には、ベンチがある。
    ここから佐渡島に沈む夕日がまた格別な夕日なのだ。
    橙色に燃えたまん丸のお日様が、
    ゆっくりゆっくりと沈んでいく。
    その時間の流れに私も生きる。
    夕焼けってどうして夕焼けって言うか知っているたろうか。
    それは、沈みかけた夕日が「さようなら」と思いっきり輝くとき、
    その西の空にある羊雲たちがまるで炎に焼かれたように真っ赤に彩られるからなんだ。

    夕日は、夕日が沈んでからが美しいと知っているだろうか。
    茜色という色が生まれる。
    雲が真っ赤に焼けているのはそのままなのだが、
    次第次第に薄暮が生まれる。
    空の青が何層にも分かれて薄く静かに沈んでいくと、
    それはまるで美しいカクテルのようなたたずまいになる。
    その底には、夕日というワインのような色が沈み、
    黄昏という静けさが天空いっぱいに広がっている。

    そこに新潟空港に到着するジェット機が長い飛行機雲を描いて飛んでくる。
    着陸態勢に入っているために、低空で飛行場に向かっていく。
    時にはまれに何本もの飛行機雲が天上に残されてクロスしていることもある。
    その内に空が薄い青から、青の濃さを増し、深い藍色になる。
    すると、金星が光り、見上げると天空に大きな大きな柄杓が傾がって見えてくる。
    その北斗七星が、じっとじっと見つめていると動くのだ。
    じりっじりって。(笑い)

    でも、この自然が見せてくれる大スぺクタルオペラを、
    私の他に誰も見ていないのだった。
    さっきまでそこで手を繋いで夕日を見ていた若いカップルも、
    「沈んだね」で、帰ってしまったのだ。

    夕日の本当の美しさとは、夕日が沈んですらの十数分間にあることを、
    たそがれることを知らない人たちは、気づかないのである。
    自然の奇跡は、人が去った後に現れる。

    たそがれる人にだけ、自然はその奇跡のような美しさを見せてくれるのだ。

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