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  • from: クマドンさん

    2016年01月28日 09時32分53秒

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    いつかきっと「幕が上がる」

    さて、退院してちょうど一カ月になった。
    本当に身体の回復だけを願って、何もしない一カ月だった。
    その間に、本はたくさん読んだし、DVDで映画もたくさん観た。
    それは全て「いかに生きるか」の学びだった。

    本は読んでしまうとすぐに忘れる。
    映画もあれだけ感動したストーリーも、あっと言う間に忘れる始末だ。
    それでも、やっぱり乾いた砂のようにして、言葉を求める。
    言葉と出会う度に「これだ」と想いメモをする。
    映画ではその人の生き方そのものに共感し、触発される。
    「そうだ。そうなんだ」と、涙を流すが、それもいつの間にか過ぎ去って行く。
    でも、こうして孤独なる私には、本と映画の友が居てくれるからありがたい。

    何もない生活は、実はここ何年か続いている。
    あれだけ夢中になって突っ走って来たあれやこれやから、
    一切手を引いて、宙ぶらりんな状況だから。

    今朝の新潟日報に「沼垂テラス」の特集が一面で掲載されていた。
    この古き良き市場長屋を個人的に購入し、
    若手たちに小さなお店として貸し出したTさんは、
    15年前からの知り合いだった。
    その頃、沼垂ガイドブックを、子どもたちと一緒に創ってくれた人。

    お年寄りの町になり、買い物難民の多い町となり、シャッターの町となった。
    このままでは衰退するだけだから、何とかしなければと、彼は想った。
    沼垂そのものの人口が減り、大きなスーパーや個人のお店も激減だった。
    どこの町でも抱えているそうした問題を、自分の課題としてとらえ直し、
    その課題を解決するために、自己資金を投入しての市場の再生を行った。
    すごいなぁと、尊敬の眼差しだ。

    同じくその市場の二階に事務所を持っている「なじらね」の人たちが居る。
    彼等、彼女等も、故郷沼垂の将来に向けて、
    いつもいつも新たな提案と実践を行っている。
    「栗ノ木川さくら祭り」「なじらねフェス」「映写会」「沼垂寄席」等、
    今では沼垂の新名物「沼垂ビール」の宣伝に東奔西走だった。
    どうして゜こんなに沼垂のために働くのか。
    それは、みんな沼垂が好きだから。
    何だかじっとしていられねてば。何とかしよてばと想っているから。
    きっとそうなのだと、私は思っている。

    さて、私もかってはその人たちのようにして無我夢中で生きた時もあった。
    それが私の使命なのだと勝手に解釈して、
    傍の人たちの迷惑と困惑とには目もくれずに、猪突猛進していたものだった。
    本と映画の主人公だけが、生きるのお手本の人生ではない。
    私は、そこで知り合い、縁ある人たちにどれだけ学んだことか。
    お手本は、町中に在り。
    大好きな人たちは、その町中にたくさんいたものだった。

    さて、今はどうか。
    欲がなくなったとでもいうのだろうか。
    自分がどこかで燃え尽きて、灰になったとでも言うのか。
    ずいぶん大人しく、当たり前の中年親父になり果てている。
    「よし、次はあれをやろう。」「こんなこともできるかもしれない。」
    そうだった私は、もうそんな無我夢中からリタイアした。
    そんな覇気がないことでどうすると、嘆くこともなくなった。

    ただし、今は麹菌をふりまかれ、室で寝かせられている温かな酒米のようなものだ。
    一見じっと動かないようだが、ここで寝かせられているだけでも、
    ミクロの世界でもぞもぞとうごめいている。
    この言葉と映像と生き方のお手本も、それは麹菌となり、
    ただじっとここに置かれている私の触媒として、発酵する助けをしている。
    そんな気がするから、じっと何もせずに日々を生きられる。
    私は回復を待つだけのただの身体でも、
    そこには私を発酵させるための麹菌が旺盛に生存している。

    私は、それを信じている。
    だから、ヘルニアのお腹を抱えながら、その日が来るのをじっと待っていられる。
    映画「幕が上がる」の主人公のように。
    きっといつかまた、私にとっての何場目かの人生の幕が上がる日のために。

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