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親父たちよ

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  • from: クマドンさん

    2016/08/27 07:10:14

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    映画は人生そのもの

    朝の日報に、「FAKE」の監督のMさんのエッセーが出ていた。
    「イージーライダー」「いちご白書」をライフで観た。
    「ジョニーは戦場へ行った」「卒業」「パピヨン」を高校時代に観た。
    名画座の「ライフ」があった。
    何だ何だと驚いて年齢を見たら、私より一つ年上の人だった。
    あの時代の新潟市を知る彼と私。
    きっとどこかの映画館で一緒に映画を観ていたのかもしれない。

    高校時代に自主制作の映画を創ったことが映画との出会いの始まりだそうだ。
    私もそうだった。
    M高校で半分不登校だった私が、
    それでも文化祭のクラスで作る自主映画に出演を依頼された。
    8ミリ映写機の音と、あの暗い教室で写される白黒映像に、
    何とも言えない郷愁を感じたことを覚えている。

    私は、よく学校の授業をさぼって映画館に行った。
    坂妻の映画を観ながら、パラスで母が作ってくれた弁当を食べていた。
    卵焼きの匂いがブーンとただよった。

    ライフにはよくよく出かけた。
    いい映画になると立見は当たり前だった。
    狭い客席に映画好きの青年や学生がいっぱいだった。
    新潟の私には知らない世界ばかりだった。
    スクリーンは、都会と世界と繋がる私にとっては大事な窓だった。
    映画を観て感動する度に、
    ちっぽけで寂しかった私の中で何かがほんのわずかに修正された。

    孤独だったし、人と付き合うことも苦手で、
    人と同じことは決してしない変わり者だった。
    だからだろうか。
    映画の中のドラマやそこで生きている人たちは、
    私にとってとてもとても大切な友であり、恋人であり、師匠だった。
    ATG全盛期。
    原田芳雄さん、桃井かおりさん、秋吉久美子さん、だったなぁ。

    映画は、私に人生の大部分を教えてくれた。
    物語の中に真実なる生き方が在り、
    その生き方を真似したくて、どこかで跡をついていきたくて、生きていた。
    本当に、寂しくて、孤独で、つまらない生き方だったが、
    映画の人たちがいつもいつも心の傍に居てくれて、
    何だか「それでいいよ」と、言ってくれていたような気がする。

    映画があったから、生きて来れたなぁ。
    「小さな恋のメロディー」で、グランド劇場に早朝から並んだなぁ。
    「わらの犬」で、ペキンパーにどきも抜かれたなぁ。

    あの時代の映画の話をすると何だかつーんと懐かしく感じられる。
    その映画と当時高校生の私とは、シンクロしてここに現れるからだ。
    映画が居てくれたから、こんな変わり者も生きられた。
    行く場所のない私にとっての行く場所は、映画館だった。
    映画と出会えて本当によかったなぁ。
    映画が傍に居てくれて本当によかったなぁ。

    今朝の日報の窓に「ジョニーは戦場に行った」のことを書いている
    52歳の男性だった。
    小学生の時に観たような記憶にあった映画が、この年で観直したら、
    鮮明に蘇ったということだった。
    私は、その言葉を読んで、「思い出の夏」を観たくなった。

    映画とは、人生そのもののだったと思う。
    Mさんの言葉を読んで、私は懐かしいあの映画館の匂いまで感じてしまった。
    始まりのベルの音。ゆっくりと灯りが落ち、ぱっとスクリーンに映像が映る。
    その瞬間、私は別の世界に旅に出る。

    映画さん、ありがとうございました。

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