何だろうね。とても、とても疲れている。
無色人がおかしいでしょうとは、みんなそう想うだろう。
それなのに、本当に疲労困憊なんだな。

金曜日の大山台農園クラブの会合の後、
５枚の市への申請書類は、私に託された。
この書類を作成したのも私であり、
皆さんの意見を聴いて、修正するのも私の仕事だ。
たった今、その作業を終えて、担当のＯさんの元に添付で送った。
明日は、その書類を提出に東区役所に集合だ。
これが通れば大山台に畑が出来る。
そんな夢の一つ一つをこうして叶えている。

日曜日は、歌のブーケコンサートだった。
東区ボーイズとラ・ミューズの混声合唱だった。
午前中はリハーサルだった。
そこで、私は、彼と成り、この声の響きに開眼した。
ベースは、あのドラムとペースト同じで、
基本的なスープの味わいだった。
メロディーは、ソプラノとテノールが歌う。
しかし、美味い美味いスープの味わいは、私たちが出している。
そんな響きのある豊かな音が、やっと自分でも出せるようになった。

やっぱり顕れなんだな。
本番、満席のお客様を前に歌いながら、私が想っていたことは、
「歌い切る」「出し切る」そのことだけかな。
歌う人になる。
もし、本当にあの中国の彼のようにして、歌える人になれたのなら本望だった。
私の声量は、他の人の何倍もあった。
いつもいつも指揮者のＫさんからは、手綱を閉められ、抑えられている。

だから、今回のコンサートでは、ミディアムレアで行くことにした。
出していい時は、指示をくださいだった。
そして、その合図が来たら、本当に思う存分に歌い切った。
朗々と、たっぷりと、想いを込めて、豊かに響かせて歌う。
その至福だったな。

歌を、私は歌えることを、今回ほど幸せに想ったことはなかった。
ああ、私には、歌があるな。
歌を、私は、思う存分に歌うことを、
神様が恵みとして与えてくださっているな。
そんな実感がひしひしと感じられた。
これは、私が歌っているのではない。
きっとこの声は向こうからやってきた声なんだ。
その声を、私は、私で味わいつつ、歌っている。
その実感が、歌を歌えることの幸せを私に感じさせてくれた。

そうなんだ。
本当のものは、向こうからやって来るものなんだ。
私が、意図して、意識して、造ったものは、ただの作り物だな。
私を通して、私を超えても生まれて来るものへの実感と感動。
そこで顕れたものこそ、本物なんだな。

人は、本来、顕れる使命をもって生きている。
その顕れの対象は、その人によってさまざまであるが、
顕れをきっと、独り独りは天から委ねられているはずなんだ。
その深い深い想いを何でこの今、ここに、顕すか。
それは、誰にも分からないが、
その感性と気付きとが生まれて来ると、
その顕れの現場に、舞台に自分自身を立たされることができるようだ。

悟るとは、自己を知ること。自己に気付くこと。
その自己は、生まれる前から、きっとここに存在している我だ。
その吾をこの世に顕す。
その瞬間こそが、奇跡なんだ。

奇跡が舞台やステージにあるのは、そのためなんだな。
ということが、歌いながらよくよく感じた。

ああ、歌は、いいなぁ。
歌えることの幸せを、今、ここでもも噛みしめている。