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  • from: クマドンさん

    2018年12月16日 06時05分17秒

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    対話する。

    対話だなぁと、感ずる。
    対話している時が、幸せだ。
    対話は、独りでできる。
    対話しながら、何かに気付く。
    そのことがとても嬉しい。だから、対話だ。

    朝、ヨガの稽古だ。
    腰の痛みがあるが、身体と心との対話・対話。
    身体を捻る・伸ばす・曲げる。
    それを深い深い呼吸と共に行う。
    身体との対話だ。

    身体は、必ずそのポジションをとると、語り出す。
    それは、小さな痛み・大きな痛み・心地よい感覚・気持ちよい静止。
    いつしかいつしか無心になれる。
    ヨガとは、「繋がる」ということだそうだ。
    それは、身体と心の一体感。
    心身一如の感覚かな。

    自分を忘れることが、気持ちよさの原点だ。
    自分は、いらない。
    すると、すっきりと気持ちよく生きられる。

    小千谷蕎麦の名店「あき乃」へ行った。
    季節はすっかり冬。久しぶりの訪れだった。
    食べるのはいつもの野菜天ざる大盛。
    それと、雲海のあったかい焼酎だ。
    それを、味わう。
    今度は、蕎麦と天ぷらと焼酎との対話だ。

    味わうとは、深く深く対話すること。
    「美味いなぁ」「深いなぁ」「これだなぁ」と、想うこと。
    美味しいものには、必ず物語を語る力があるものだ。
    黙っていない。
    黙っていても、黙っていない。
    美味しいものは、身体で味わうものだ。
    その身体に沁み入るその味わいに「意味」がある。

    ここでは、1時間半「言葉」と対話する。
    私がずっとずっと書き留めて置いた言葉・言葉。
    焼酎のお湯割りをちびちびと飲みながら、
    店の片隅のカウンターに置いておいてもらえる。
    黙って、その言葉一つ一つを味わう。
    池田晶子さんとの、対話が始まる。
    若松英輔さんとの、対話が始まる。

    あき乃の蕎麦がそうであるように、
    本物の言葉は、何年たっても何十回読んでも、味わい尽くせない。
    「もういいよ」は、絶対に来ない。
    また、出会たくなる。語り合いたくなる。
    この薄っぺらの一冊のメモ帳は、
    私を、無私の世界に引き入れてくれる。
    言葉を読むと、私を忘れる。

    万代橋を歩いた。冬の風が冷たかった。
    川面がキラキラと輝いていた。
    私は、「美しき青きドナウ川」を聴いていた。
    信濃川が、まさにドナウ川となっていた。
    音との対話という表現は、おかしいだろうか。
    私は、よくよくこうして音楽と対話する。

    シネウインド「教誨師」は、実に深い深い映画だった。
    まさに、教誨師と死刑囚との対話劇だった。
    対話とは、対話する相手の中に自分自身を発見する作業なのではないかと、
    ふと、感じた。
    大杉漣さんの遺作だ。
    すごい人をこの世に遺して突然去って行った。大杉漣さんだなぁ。

    牧師の保は、悔い改めと神様の愛を伝えるためにここに居る。
    自らの罪深さを感じての教誨師の仕事だった。
    報われず、辛く、切なく、自分の無力感を感ずる対話ばかりだった。
    そんな中で、独りのホームレスだった老人が、
    洗礼を受けたいと、言った。
    悔い改めて、神様に助けてもらいたいと、祈った。
    保の祈りは聞き届けられたかに見えた。
    しかし、死だ後、保に託したグラビアアイドルの写真の裏に・・・・。

    罪は、罪を犯す者の罪ではないのかも知れない。
    彼が、彼女が、そうしたのは、
    そうせざるを得ない状況に、自分でも気付かずに置かれた結果ではないだろうか。

    三千円の借金を返してくださいと頼みに行ったら、罵倒された。
    その手には、返すはずの野球のバットが握られていた。
    発達障害を持って生まれ、相手の気持ちを察する能力を持たない男が、
    ある若い女性を一方的に好きになり、結婚を申し込みに行き、
    断られた途端かっとなって一家三人を惨殺する。

    障害者施設を襲い、多くの知的障碍者を惨殺した若い男。
    彼は絶対に罪を認めず、彼の犯した行為を正当化し、保と対立し続ける。
    しかし、彼の語られなかった闇の中に、
    彼を彼としてそうさせてしまった何かがあったのではないか・・・だな。

    保の過去がそうだった。
    兄は、保の代わりに殺人を犯し、刑務所の中で自殺した。
    その兄が、保の前に顕れる。
    机上の三角形に建てられたカレンダーが、ぱたりと倒れる。
    それは、兄がここに居るとのサインだった。
    保は、それを知っていた。
    死者である、兄との対話だ。

    エノチカで2杯の赤ワインを飲んでからの映画だった。
    さすがに途中落ちそうになったが、踏みとどまった。
    映画とは、その人の人生との対話だった。
    ここで向き合っている間の短い時間だが、
    確かに、私は登場人物との対話をしている。
    それは、一方的なものであっても、
    やっぱり絶えず、何かを語り合っているような気がした。
    それは、彼が、彼女が私でもあるからだった。

    私も、もし、あの人たちのような状況に置かれたら。
    あの人たちのような心や精神に障害をもっていたら。
    あの人たちのような酷い親に育てられたら。
    あの人たちのように人の良さを利用されて騙されていたら。
    あの人たちのように人から愛されず、冷たく育てられたら。
    あの人たちのように経済的に貧しく、生活することに困っていたら。
    きっと、私は、彼になり。彼女になったかも知れない。

    私が、今のような私で居られるのは、
    きっとそうではなく、人間として暖かく、私を信じて、愛してくれる、
    優しい人たちに育てられたおかげなんだと、今は、想う。
    それは、事実だ。
    そして、亡くなった人たちにも、いつもいつも支えられ、励まされて来た。
    今では、向こうに居る人の方が多くなった。
    だから、いつかまた会えることを楽しみにもしている。

    人を裁く。
    人に罪を問う。
    人を死刑にする。
    お前は人を殺したから、私は法と正義によってお前を殺す。

    みな罪人であるはずの人たちに、そんな理不尽なことができるのか。

    帰りのバスの中。
    対話の相手は、私だった。

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